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注文住宅の断熱性能はどう違う?設備・性能やメリット・デメリットを解説

Date2024.5.17(Fri)/Category住宅設備

注文住宅の断熱性能について、考えたことはありますか。住宅メーカーのCMでも「断熱等級」や「UA値」といった言葉を耳にすることも多いのではないでしょうか。このように注目されている注文住宅の断熱性能にはさまざまなグレードがあり、グレードによって得られる効果やメリットに差が出てきます。今回はそんな注文住宅の断熱性能について、グレードごとの違いやメリット・デメリットまでご紹介します。

注文住宅の断熱性能はなぜ必要?

 

注文住宅の断熱性能はなぜ注目されているのでしょうか。まずは、注文住宅の断熱性能について確認していきましょう。

 

カーボンニュートラルに向け建築物省エネ法が強化

 

地球温暖化といった環境問題の中でも注目されるエネルギー消費量。注文住宅の性能向上によって電力などのエネルギー消費の削減を目指すため、2015年に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」通称「建築物省エネ法」が公布されました。この建築物省エネ法は、2050年に温室効果ガスの吸収量と排出量をイコールにするカーボンニュートラルに向け、段階的に内容が強化・改正されています。

2024年4月からは新しい建築物の省エネ性能表示制度が開始し、注文住宅を販売したり貸したりする際に、チラシやパンフレットといった広告への省エネ性能ラベルの表示が求められるようになります。また、2025年4月から原則すべての新築注文住宅は省エネ基準の適合が義務となります。このように、省エネ性能の高い注文住宅は電力をはじめとするエネルギー消費が抑えられるため、建築物の新築や既存建築物の断熱性能の向上や省エネ化が求められているのです。

 

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注文住宅の省エネ性能を測るひとつの指標となるのが断熱性能等級です。2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にもとづき、注文住宅の性能を分かりやすく表示するための「住宅性能表示制度」が設けられました。この制度では、新築注文住宅を10分野33項目で評価。評価項目のひとつとして設けられているのが、断熱等性能等級です。断熱等性能等級は、壁や窓といった外皮からの熱損失をどれほど防げるかを評価し、1~7の等級で表示します。

 

断熱等性能等級を決めるUA値

この断熱等性能等級は、室内と外気で熱がどれだけ出入りするかを表すUA(ユーエー)値と、太陽の日差しがどれだけ室内に入りやすいかを表すηAC(イータエーシー)値にもとづいて評価されます。UA値は数値が小さくなればなるほど、室内外で熱が出入りしにくいことを表し、断熱等性能等級が高くなります。 ただし、日本は寒冷地と温暖地の気温差が大きいため、すべて同じ基準で評価されるわけではありません。地域ごとに区分が設けられ、それぞれに異なる基準値が定められています。たとえば、北海道では1地域、東京であれば6地域、さらに温暖な九州などでは7地域といった分類によって、基準となるUA値が異なるのです。

 

参考元:国土交通省「住宅性能表示制度 かんたんガイド」P2-3, 8
参考元:国土交通省「住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設」P2-3
参考元:国土交通省「地域区分新旧表」

 

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主な断熱基準

 

ZEHの積み木と家 注文住宅性能表示制度の断熱等性能等級以外にも、注文住宅の断熱性能を表す基準は主に3つあります。基準が低い順に、特徴を確認していきましょう。

 

省エネ基準

省エネ基準とは2015年に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に明記されている建築物エネルギー消費性能基準のことです。省エネ基準に沿った注文住宅か判断するために、空調や照明などによる一次エネルギー消費量と外皮の断熱性能を表すUA値、室内への日差しの入りやすさを表すηAC値の基準が定められています。省エネ基準における地域区分ごとのUA値・ηAC値は以下のようになっています。

 

【省エネ基準における基準値】

 

参考元:国土交通省「③住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級について」
参考元:国土交通省「省エネ基準の概要」
参考元:一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター「住宅の省エネルギー基準」

 

 

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ZEH(ゼッチ)とはNet Zero Energy Houseの略で、注文住宅で使用するエネルギーの消費量を減らしながら、太陽光発電などで創出したエネルギーを使用することによって、家庭内のエネルギー収支ゼロを目指した住宅です。ZEH住宅は、満たすべき基準が4つあります。まずは、強化外皮基準。基準となるUA値は以下の通りです。

 

【ZEH基準における強化外皮基準値】

 

2つめは一次エネルギー消費量です。基準に沿った注文住宅では、2016年度基準の一次エネルギー消費量より20%以上減らす必要があります。3つめは再生可能エネルギー導入の条件で、住宅内で消費するエネルギー量以上の発電量を確保しなくてはなりません。4つめはエネルギー可視化装置の設置です。発電・消費エネルギーのモニターが必要となります。

 

参考元:国土交通省「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について」
参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅」P12
参考元:国土交通省「家選びの基準変わります」
参考元:国土交通省「③住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級について」
参考元:資源エネルギー庁「ZEHの定義(改定版)<戸建住宅>」

 

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「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が発表したHEAT20 G2基準は、省エネ基準よりも高いレベルの断熱性能を求めるものです。特に高断熱の注文住宅をつくりたい、という方向けの基準となっています。省エネ基準やZEH基準よりも断熱性能が高いHEAT20 G2基準のUA値は以下の通りです。
【HEAT20 G2基準における基準値】
HEAT20 G2基準は、特に寒冷地や暑い地域での快適な住環境を実現するために重要です。高断熱注文住宅は冷暖房効率が向上するため、長期的には光熱費の削減が期待できます。また、室内の温度差が少なくなるため、ヒートショックのリスクを減らすこともできます。

省エネ基準ごとにみるメリット

 

断熱性能の高い注文住宅には、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットについても見ていきましょう。

 

参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅

 

光熱費を節約できる

断熱性が高く、省エネ性能に優れた注文住宅はエネルギー消費を抑えられるため、光熱費の削減が期待できます。従来の注文住宅、省エネ基準を満たした注文住宅、そしてZEH基準を満たす注文住宅の3種類について光熱費をシミュレーションで比較したところ、以下のような結果が得られました。

 

【住宅別にみる年間光熱費】

 

光熱費と健康面での利点

省エネ基準を満たした住宅は、従来の住宅と比較して年間で約60,000円の光熱費を節約できます。さらに、ZEH基準の住宅と従来の住宅を比べた場合、特に寒冷地では年間で150,000円以上の光熱費削減が見込まれます。このように、省エネ性能を高めることで光熱費の大幅な節約が可能です。

 

年間を通して快適な居住空間

断熱性能が高い住宅は、室内温度が外気温に左右されにくくなります。人は壁や床、天井からの輻射熱を感じるため、これらの表面温度が外気温の影響を受けると体感温度も変わります。例えば、外気温が0℃の冬において、断熱性能の低い住宅の輻射温度は平均10℃ですが、高断熱の住宅では平均18℃になります。この違いにより、室温が同じ20℃でも、断熱性能の低い住宅の体感温度は15℃、高断熱の住宅では19℃となり、4℃もの差が生じます。壁や床が外気温の影響を受けにくくなることで、年間を通じて快適な室温を保つことができます。

 

健康への影響

住宅の断熱性能は、住む人の健康にも大きな影響を与えます。国土交通省の調査によると、省エネ性能の高い住宅は室内温度の変動が少なく、快適な温度が保たれるため、居住者の血圧が低下する傾向があります。特に、部屋ごとの温度差が少ないため、冬の入浴時のヒートショックなどの事故リスクも低減します。

また、断熱性能の向上により、気管支疾患やアレルギーなどの症状が改善するケースも報告されています。断熱性能の高い住宅では結露が発生しにくくなるため、アレルギーや感染症の原因となるカビやダニの発生も抑えられます。このように、断熱性能を高めることは家族の健康を守るためにも重要です。

 

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メリット

光熱費の削減

高断熱住宅では冷暖房効率が向上し、エネルギー消費が抑えられます。そのため、光熱費の削減が期待できます。

 

快適な住環境

室内の温度差が少なくなり、一年を通じて快適な住環境を実現できます。寒い冬も暖かく、暑い夏も涼しく過ごせるため、家族全員の健康にも良い影響を与えます。

 

ヒートショックのリスク軽減

室内の温度差が少なくなることで、入浴時のヒートショックリスクが軽減されます。特に高齢者にとっては大きなメリットです。

 

環境への配慮

エネルギー消費を抑えることで、CO2排出量の削減にもつながります。環境に優しい家づくりが可能です。

参考元:国土交通省「なるほど省エネ住宅」
参考元:国土交通省「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要」

省エネ基準ごとにみるデメリット

省エネ性能の高い家は良いことばかりのようにも思えますが、難点も少なからずあります。ここからは、省エネ基準の高い家にみるデメリットをチェックしていきましょう。

デメリット

初期費用が高い

高断熱住宅を建てるためには、断熱材や窓、設備などの費用がかかります。そのため、初期費用が高くなる傾向があります。

 

 

メンテナンス費用

断熱性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に換気システムなどのメンテナンス費用がかかることがあります。

 

 

参考元:独立行政法人国民生活センター「省エネ住宅でも快適に住まう工夫 第2回 環境に配慮した「省エネ住宅」とは(2)」

まとめ

 

注文住宅の断熱性能は、快適な住環境を実現するために重要な要素です。断熱性能等級やUA値、ZEH基準、HEAT20 G2基準といった基準を理解し、最適な選択をすることが求められます。高断熱住宅は初期費用がかかりますが、長期的には光熱費の削減や環境への配慮といったメリットが多く、快適な暮らしを提供してくれます。注文住宅を検討する際には、断熱性能にも注目し、自分たちのライフスタイルに合った家づくりをnoahと一緒に目指しましょう。

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